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明け方の夢 [言葉]

夢はよく見る方だと思うのだが、悲しいかな、
目が覚めるともう思い出せない、と言うことが多い。
ああ、面白い、起きたらすぐに誰かに話そう、と
思いながら夢を見ていて、目が覚めたときは、誰かに話そう、
と思っている部分しか思い出せないなんて・・。

でも、目が覚める直前に見た夢は覚えていることもあって。
今朝見た夢はある部分だけ、覚えていた。
短歌には歌合せ、というゲームがあって、私の所属する
「塔短歌会」でも、大会の一大イベントになっているほど
盛んである。私が見た夢は、この歌合せとちょっと似ていた。

歌合せは、あらかじめ出された題で歌を作っておいて、
その場で互いの歌を発表、判者が甲乙を判定する、というものだが、
私の観た夢では、なんと先ず目前に、お題代わりの物品が
用意される。それがまるで、絵画教室で先生が用意する
「静物」みたいで可笑しかった。最近絵を描いているので、その
影響だろう。台の上に載せられているのは、果物、瓶入りのワイン、
柄物のタオル、西洋人形やデコイ、壁側には、ドライフラワーなどなど。

対戦する二人は、順番にその「静物」から一つを選んで、
名前を言い換えるのである。例えば、西瓜なら「紅涼水」
というように。その本質をうまく言い当て、さらに言葉として
美しく響く名称にする、というなんとまあ、凝った遊び。

私は夢の中で必死に考えている。西瓜は取られちゃったから、
私は林檎を選ぼう。英語で愛しい人のことを「目の中の林檎」
っていうもの、「愛しい瞳」っていうのはどうだろう、でも
外観からはそれるなあ、「神話の実」は、どうかな・・。とか
頭をフル回転させているのだった・・。判者は誰だったのか、
覚えていないのだけれど。

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烏蘭浩特 [旅]

中国の北部の街・長春で暮した十数年前。
現地で知り合った知人が、黒竜江省のハルピンと
内蒙古にある烏蘭浩特(ウランホト)に旅行しよう、と
誘ってくれた。ちなみにその知人Fさんは、黒竜江出身。
内蒙古にも知り合いが住んでいる、とのことだった。

内蒙古へは、西側の省境の街・白城(バイチュン)から
バスで行く。白城のバスターミナルに行くと、公共の
バスもあったが、近くにマイクロバスも止まっていて、
その運転手らしい男が、「ウランホト! ウランホト!」と
叫びながら乗客を募っていた。バスにはすでに数人の
客が載っているのが見える。Fが聞くと
「もうすぐ発車する、運賃は〇元」とのこと。
公共バスよりも早い出発の上、運賃は半値らしい。

それで、そのバスを使うことにしたのだが・・・。

乗り込んでも、運転手はさらに「ウランホト、ウランホト!」
と乗客獲得に余念がなく、一向に出発する様子が見えない。
三十分、四十分と時間が経ち、向かい側の公共バスはもう
出発してしまった。周りの客も苛立っているはず、と思うと、
以外にものんびりとお菓子なんかつまんでいる。見ると、
一人は心を病んでいる人のよう。もう一人は、体に障害が
あるらしかった。お互いに話している所を見ると、
知り合いのよう。そして運転手とも・・・。

嫌な予感がしてきた。もしかすると、このバスはいつまでも、
ここで乗客を待つふりを続けるのではないだろうか。
私たち以外は、そのためのサクラなのでは・・・。
そのうちに待ちくたびれて、
私は少し眠ってしまった。そうしてウランホトに
行く夢を見た。小さな祭りのような町だった。
不思議な土産物屋が並んでいる。でも、売っているのは、
ただの石ころだったり、風の缶詰だったり・・。
呆れて廻りを見渡すと、売っている人も
歩いている人も、みんな顔が羊だった・・・。

と、Fさんに揺り起こされた。
「降りよう、こんなバス、いつ発車するかわからない!」
外には夜のとばりがおり始めていた。バスの窓が汚れまくっていて、
気がつかなかった。もう、次の公共バスを待っている時間はなかった。
「タクシーで行こう!」
払った料金はもう戻らない。それはそうなのだったが・・。

タクシーで着いたウランホトは、凄く近代的な町で、
舗装路は広く、どこもすっきりと清潔そうだった。
夢で見たウランホトは、どこにもなかった。 
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二つのスポーツ映画 [映画]

最近観た、「ミックス」と「あさひなぐ」。
卓球のダブルスを扱ったものと、なぎなたものと。
二つのスポーツ映画、でも内容は大きく違っていた。

「ミックス」は、天才卓球少女と言われながら、母親の
鬼の特訓に耐えかねて挫折、普通のOL生活を始めた多満子、
同僚の卓球部員でありイケメンの江島と恋に落ちるが・・・。
彼のミックス相手の新入部員に江島を奪われ、退社して
帰郷。そこで知り合ったバツイチの萩原と、実家が経営する卓球場の再建、
さらには、江島への仕返しを目指す、というもの。

だが、卓球そのものをどう強化していくのか、どんな
卓球を目指すのか、という視点はゼロである。ミックスなら、
ミックスならではの勝ち方、鍛え方があろうに、そのあたりが
ほんのわずかしか触れられていない。これでは「ミックス」の
必然性が乏しい(単に恋の駆け引きに使われているだけだ)。

その点、「あさひなぐ」は素晴らしかった。中学まで運動に
全く縁のなかった女の子が、高校入学後なぎなたを操る先輩に憧れ入部。
身体も小さく、基礎的な体力に乏しい彼女が、どうやったら
大きな相手に勝てるのか。そのあたりが、実に丁寧に描かれる。
なぎなたの試合そのものもリアルで、観応えたっぷりだった。

演じていたのは、乃木坂46のメンバーたち。
「あさひなぐ」お勧めです。
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絵に夢中(その7) [藝術]

アトリエAに入会手続きをしたのが六月中旬。
このアトリエでは、市立図書館のなかにある
市民ギャラリーへの出展が八月上旬からの二週間、と
決まっていて、みんな最後の仕上げに励んでいるときだった。

私はアトリエでは、静物デッサンから始め、その一方で、
家で好きなものを描き、持って行っては先生の批評を
仰いでいた。家で描いていたのは、猫とか犬、
ペットを愛する人たちがペットと共に映っている写真を
雑誌などから探して、絵にしていた。また、今は亡き
我が愛犬の写真も取り出して、絵にしたり。

七月の最終日には、市民ギャラリーへの作品の運び込みについて、
予定の確認なども行われた。
自分には関係ないと思っていたのだけれど・・。

八月になると突然、先生が
「ねえ、この大きさに入る、なんかない?」
と、A5判くらいの額縁を差し出してきたのである。
「ええっ、なんか、ってナンですか!?」
「絵、よね」
先生は、お茶目にウインクしたりしている。
「まだ、こちらにお邪魔して一か月とちょっとですよ。
そんな、人様にお見せするような絵はありません」
と、きっぱりと断ったのだったが・・・。
「いいじゃない、沢山描いているじゃない。その中の一つ」
と言い張られて、とうとう、私まで出展することに。

若い着物姿の女性が黒い猫を抱いている絵を選ぶと、
先生が着物の陰翳、猫の輪郭などに手を加えてくれた。
図書館には、展示中に一度見に行ったけれど、
奥まったガラスケースの一番後ろに、ひっそりと置かれていて、
ほとんどの人が素通りする場所だったので、ほっとする。

あとは仲間の絵をじっくりと鑑賞することに。
絵には本当に個性が出て、観るほどに面白い。
大きな絵を描いて、展示室の壁に掲げてもらう、なんてことは
ないかもしれないが、好きなことにどっぷりと浸っている、
今の時間を楽しみたい(この項、終わりです)。
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絵に夢中(その6) [藝術]

市民センターで開かれている絵画教室に参観希望のメールを
入れて丸二日待っても詳細についての返答がなかったことから、
期待しても無理、と判断した私は(案の定、最後まで返事はなかった)
他の絵画教室をネットで当たってみることにし、徒歩圏内ではないが、
同じ市内で車で十数分のところにあるアトリエ・Aをみつけた。
中学や高校で美術の先生をしていた女性が開いているアトリエで
何となく、自由な雰囲気が感じられて、興味を引かれた。

メルアドのほかに、電話番号も書いてあったので、いきなり
電話してみることに。応答の声はほかり、と温かく、
こちらが初心者だと告げると「みんな、一度は初心者ですよ」
と、おおらかな声でのたまう。ああ、いい感じの人だ、この人から
おそわりたいという気持ちになったが、とりあえず参観希望を告げる。
「今日の午後でも大丈夫ですよ」と言われ、早速出かけることに。

会ってみると、声のイメージ通りの人だった。笑顔が素晴らしく、
一緒にいるだけで、ほっとした気持ちになれる。専門は水彩画、
とのことで、描かれている絵も見せてもらったが、色彩が美しく、
具象を写すというより雰囲気を捉える、という感覚は私の好みだった。
土曜日の午後だったので、先生と話しているうちに、次々に子供たちが
やってくる。絵画教室と言うより、学童保育に近い感じ(苦笑)。

「土曜日はいつもこうなんです。じっくりと絵を描くのなら、
平日の午前。あるいは夜にしてください」と言われる。
とりあえず平日の午前に設定してもらうことに。
こうして私はアトリエAに、週一度ずつ通うことになった。
新しいことを始めるって、なんて素敵なことなんだろう(続く)。
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絵に夢中(その5) [藝術]

絵を描くことに興味を持ち始め、最初に図書館で関連の
本を数冊借りた。返却した後、さらに同じ棚を見ていると
先回目につかなかった関連本が複数並んでいる。その本を
借りて、また返却した後同じ棚を見ると、またまた
目につかなかった本が並んでいる。ちなみに私が以前に
借りて返した本は見当たらない。

絵画の描き方関連の書は私が利用している市立図書館の
分館では一棚分くらい。でも絶えず本が動いていて、
借りている人が多い、と言うことが分かった。
短歌の方は棚の二段分くらいしかなく、いつもほとんど
動きがないのと対照的なのであった。

自分で絵を描き始めて十日ほど過ぎた頃、ふっと、
誰か専門的な人に少しアドヴァイスをしてもらった方が
いいのではないか、と思うようになり、ネットで近くの
絵画教室関連を調べてみた。こちらも意外に多い。
徒歩圏内に、けっこう本格的な美術教室、Aがあり、ここは
美大受験用の予備校のような存在らしい。近くの二つの市民会館でも、
絵画教室や、趣味のクラブが複数開かれているのを知った。
市の中心部まで一駅出れば、大手のカルチャーセンター主催の
絵画教室が山とある。
短歌教室も多いとは、思っていたけれど、油絵、墨絵、水彩画、
デッサンなどの他、風景画とか、人物画とか、絵の対象ごとにも
別れていて、その数は短歌とは比べ物にならなかった。

時間や値段などを考慮し、徒歩圏内の市民センターでの教室を選んで、
参観希望をメールで入れた。
「ご連絡ありがとうございます。詳細は追って連絡します」
という返信がすぐ届いたが、その後は、二日経ってもナシのつぶて
であった(続く)。
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絵に夢中(その4) [藝術]

絵を描いてみようと思い立った時、最初に思い出したのが、
先回触れた、少女漫画の一頁をまねたスタイル画のこと。
水彩色鉛筆で、スタイル画をやってみるのはどうだろうと、
色々調べ、人気の高いFaber Castell社の36色を購入する。

少女漫画はもう手元にないので、少し前に購入した、
ファッション雑誌の写真を参考に描いてみることに。
手足はさすがに難しい。ざっと描いてみると、全身が
ひどくアンバランスな感じがする。

ファッション雑誌に登場するようなモデルさんとは
かなり違うけれど、参考のために自分のサイズを
事細かに測ってみることにした。それによって、これまで
気付かなかった意外なことを次々に発見してしまった。

たとえば、肘から手首までと、手首からまっすぐ伸ばした
中指までの長さがほぼ同じであること。掌は意外に大きいのだ。
腕も意外に長い。優に太ももを掴めるくらいに。
こういうところをしっかりとらえて描かないと、人間らしく
描けないのだ、と言うことに初めて気がついた。

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絵に夢中(その3) [藝術]

今の子たちはどうだが知らないが、私が子供の頃、
女の子たちはみんな、少女漫画の一頁をまねたような、
いたずら描きに夢中だった。少女漫画には、頁のところどころに、
ストーリーとは関係なく、主人公が素敵な洋服を着てポーズを
とっている、という絵が登場し、それを見るのもまた大きな
楽しみだった。そしてよくその絵を真似して、いたずら描きしたのである。

私は、テストの最中でさえ、ざっと問題を解くと、テスト用紙の裏に
描いてしまう。もうビョーキのようなもので、よく先生や
親に叱られたのだが、なかなかやめられなかった。

私たちはそれをスタイル画と呼んでいた。私はまず、
女の子の顔を丁寧に描き込む。だが、手足がうまく描けない。
それで手は背中の後ろ側に回していることにし、あとは
かかとまである長いドレスを着せるのである。ドレスには、
レースや刺繍やフリルを描き込むので、長いほど便利(?)だった。

小学校三年の時に同級だったともみさんは、絵がうまくて、
皆に頼まれてスタイル画を描いていた。彼女は内藤ルネばりの
おしゃれな絵を描く人で、残念ながら五年生の終わりに転校して
行ってしまったのだが、クラスのみんなの似顔絵を描いて
送ってくれたことを覚えている。彼女はきちんと手足も
描ける人だった。私はどうして描けなかったのか、どうすれば
描けるようになっていたのか、もっと突き詰めるべきだった(続く)。
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絵に夢中(その2) [藝術]

以前もこのブログで書いたように、私は線描はかなり好きだが、
色を塗るのは苦手である。水彩絵の具の扱いに苦慮したことや、
高校一年の時の、「アクリル絵の具」を巡っての出来事が、
心のしこりになっているくらいなのだ。

どんな画材で、どう描こうか・・・。
とりあえず、図書館へ出かけて、絵の描き方についての
本をどっさり借りてくることから始めた。彩色が苦手なら、
線描だけを生かして、上からぼんやりと色付けしてごまかす、
という手もあるかもなあ、と思っていたところ・・・。

それまで全く知らなかった画材について、知ることになった。
水彩色鉛筆である。普通の油性の色鉛筆のように扱え、
塗った後を水を含んだ筆でなぞると、水彩絵の具のように
溶け出し、色鉛筆独特の線が消えるのである。
これだと、線描と同時に面が描ける。
私にも使えるのでは・・・、と思った(続く)。

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絵に夢中 [藝術]

きっかけは五月下旬、ある仕事で、ちょっとした
文章を書いた。そばにイラストが描けたらいいな、と思った。
いつも歌会を一緒に行っている仲間のKさんが、確か
絵を描いていると言っていたことを思い出して、六月の
第一日曜の歌会の日に、訊いてみることに。

即座に言われた。「謙遜じゃなくて、本当に下手なの」
ええ!ちょっとびっくり。言葉を失っていると、
「何か、描いてほしいの? でも、もう描いてないし、ごめんね」
かなり落胆する。
今回はイラストナシですますけれど、残念だなあ・・。
あれこれと考えた。そして突然、自分で描いてみる、
っていうのはどうだろう、と思っちゃったのである。
なんだか、ちょっとやけっぱちな始まりだった(続く)
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