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ローマの休日 [映画]

名作中の名作「ローマの休日」。初めて見たのは、
中学に入学したばかりの頃の映画鑑賞授業
(あまりにガキだったので、内容をよく覚えていない)。
大学一年の時には、友人が「名画座の券があるから」と誘ってくれて、
渋谷で見た記憶がある。それからそれから。多分合計三回は見ているのだが。

購入しておいたDVDがあったので、ふっと思い立って、
見てみることにした。
くっきりと覚えている箇所も多いのだが、まったく忘れている、
という箇所も意外に多い。そして忘れている点は、ヘップバーン
演じるアン王女が、新聞記者と出会うまでの十五分くらいの
部分に集中していた。毎晩ミルクを飲まされていたとか、逃げ出すとき、
トラックの荷台にもぐりこんだところとか、あれ、観てたはずなのに、
とあきれるくらい忘れていた。

でも、記者のジョーに会う場面、詩を口ずさんで、その作者を
「キーツ」「シェリー」と正しあう場面なんか、くっきりと覚えている。
記者がアンをベッドからソファに転がり落としたりしておきながら、
王女と知った途端、お姫様抱っこして、ベッドに移してやるところとか。

でも、王女が単に許されない恋をし、でも、悲しみをこらえて
王女と言う立場へ戻っていく、という映画ではなかったんだ、
一人の女性として、自分の立場を考えられるように、変わっていった、
と言う大事な面があったんだ、と、このたび初めて気がついた。
そのヒントを与えてくれていたのが、記者と出会うまでの
十数分で、ここをしっかりと見ていないとこの映画の一面しか
わからないままだったと。

古い映画の再鑑賞もいいなあ、と思う。もちろん、再鑑賞に
耐えられるような映画でなければ、あまり意味はないかもしれないが。


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