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絵本を読む [読書]

先回魔女の本について書いたけれど、私の持っている魔女本の
多くが絵本である。絵本は言葉と絵と同時に楽しめるので、
海外に行くたびに購入してきているので、かなりの数になっているはず。
日本の絵本もよく読む方で、好きな作家は何人かいるが。

著名な絵本画家である林明子さんの作品は、書店などで
パラっと見たり。図書館で目を通したりはしてきたが・・。
特に興味を惹かれる、と言うことなく過ごしてきた。
『はじめてのおつかい』にしろ、『いもうとのにゅういん』にしろ、
なんとなく日常をなぞってあるだけ、という印象があって、
本の世界に、非日常的な意外性や夢を求めたい私には、
ちょっと物足りない感じがしていたのである。

六月下旬から絵を習いに行きはじめたことは、ここにも書いたが、
その先生が、かなりの絵本好き、そして林明子ファンであると知り。
もう少しじっくり読んでみようと、代表作とされる
『こんとあき』を手にしてみた。う~ん、これは日常を装った、
不思議な非日常で、もう、すっかり魅了されてしまいました!

こんは、あきという女の子に祖母から送られた狐のぬいぐるみ。
とうぜんながら、女の子は成長し、こんは古びていく、のだが。
五、六歳になったあきを祖母の住む砂丘の街へと案内する
こんは、さながらお姫様を守る騎士の風情・・・。

でも、列車のドアにしっぽをはさまれて、その部分だけ、
大きく凹んだりして。それを車掌さんが包帯を巻いて、
治療してくれたり・・・。砂丘で大きな犬に会い、
いきなり咥えて持ち運ばれ、砂の中に埋められて、
息も絶え絶えになりながら、掘り出してくれたあきに、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言い続け・・・。

もう、途中からは泣き笑いしながら読んでしまった私。
この絵本は、まぎれもなく、傑作です。
『はじめてのおつかい』『いもうとのにゅういん』などは
林さんは挿絵を担当しただけ。でも『こんとあき』は、
文章もオリジナルなのでした。うん、おすすめです。

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