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魔女の本 [読書]

ハロウィン人気が高じて、10月下旬の一週間は、渋谷近辺が
かなり騒々しいことになってしまっている。渋谷は良くいく街だが、
この一週間は意識して避けることに。

ハロウィン人気の根っこには、人々が潜在的に持つ、変身願望、
仮装願望があるようで。日常の自分から自由になれることがとにかく
楽しいんだろうな、とその心理は理解できる気はするが・・。

ニュースでパッと見た限りでは、おどろおどろしい仮装をしている
人も多くて。魔女に扮した人も少なからずいたみたいだ。
私も実は魔女には少なからぬ興味があって(仮装願望は今のところないが、
あ、仮装しなくても、魔女に見えているかも・・・)
特に『魔女図鑑』を翻訳した後は、意識的に魔女に関する本を
収集してきた。特に外国の魔女の本を多く持っている。
子供向けのものが多いし、そうなると英語が結構易しいし、
原文で読みたい、気持ちも出てくる。ついでに面白かったら、
日本で翻訳書が出せるかも、という野心も湧いてくる。

でも、これまで面白い、と思い、編集者の人たちに見てもらっても、
出版にこぎつけるまでには至らなかった。本来、魔女とは、
妖術を扱うとして、普段は敬遠されていたり(病気とか、
困ったことがあると頼りにはするが)少し頭のおかしい
(認知症か?)おばあさんだったり、社会のはみ出し者、って
感じの人が「魔女」とみなされていた歴史があるので、
だいたい、汚くて、偏屈な人が多いのだ。

西洋の本にはそういうことが反映されて、子供向きの本でも、
けっして愛らしくは描かれていない(『魔女の宅急便』は原作の
挿絵も宮崎駿のアニメも随分と愛らしかった。「魔法使いサリー」然り。

西洋の魔女は、日本人が描く魔女のイメージと合わないことが多いのだ。
『魔女図鑑』は発刊から二十数年経ても、まだ少しずつながら
売れ続けているのは、料理や手芸などを含めた「実用本」に
なっているからだろう。イラストはかなり不気味で、はっきり
言って汚らしい(こんなに支持されるとは思わなかった)。
とにかく、私はちょっと偏屈な魔女が好きで、ハロウィンが
近づくと、不気味な魔女本を取り出してはこっそり楽しんでいるのだけれど。
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