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クマのプーさん(その3) [文学]

大学入学の時に購入した「The House At Pooh Corner」、
当時の自分の英語読解力が低かったこともあり、第一章の
本題の部分を読んだだけで、あまり面白くはないのでは、
と思ってしまったこと、それと先行する「Winnie the Pooh」を
先に読むべきでは、と感じたことなどから、せっかくなけなしの
お小遣いをはたいて、当時はかなり高価な原書を購入したのに、
読むのを止めてしまっていた。

今思えば、プーさんの英米諸国での根強い人気の秘密を知るためにも、
日本語訳を手にとってみるべきだったと思う。そうしてみてわかることが
どれほど多かったか、それを想像すると惜しかったな、と今にして
思うのである。高校生の頃は、原文を読む前に訳文をみてしまうことは、
ずるいこと、という摺り込みがあった。なんともくだらない、先入観である。
訳文を読んでから、原文を読み、訳に至る過程を検証することは
何よりの勉強になるのに・・・。

で、あれから半世紀近くにもなって、日本語訳に目を通してみることに。
してみて、思ったのは、訳文でも結構難しいなあ、ということ。
なんとも、ストーリーが追いにくい。
その理由の一つは、プーさんが詩人である、ということにあるようだ。
それもそのはず、作者のミルンは、この一連の書をまず、詩の本、
とイメージしてとりかかっている、というか先行して出版されたのが
『クリストファーロビンのうた』なのだった。
だから、物語本という体裁をもつこの「プー横町・・」でも、
プーさんは、ところどころで詩作し、すぐに披露しているため、
ストーリーが分断される。これが、日本語訳の読みにくさに
繋がっているように思える。(続く)


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