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守宮、その後 [生活]

わが家にヤモリが出没したのは、半年くらい前。
自分の部屋の掃き出し窓の敷居で出会ってしまった時は、
つい取り乱しそうになった、爬虫類大の苦手の私。

それから三か月後くらいあと、学生時代からの友人Nに
その話をすると、つるっとした顔で言われた。
「守宮って、水がないと生きられないよね」
え、そりゃ、生き物はたいていそうだけれど?
「よく家の中で、干からびて死んでいるわ。つまんで、
ぽいっと外に放り出して、それっきりよ」
え、え、え? やっぱ家の中に出没するのだ。
彼女の家は、多摩川沿いにある。府中市と稲城市の境界あたり。
「この間の台風じゃ、多摩の奥から流されてきたんだろうけれど、
すごく大きな猪が二頭、橋のたもとで死んでいたんだって」
あ、あ、あ、話がとんでもないところに飛んで行きそう。
彼女の豪快なところだけれど、そしてそういうところ、好きだけど。

ネットで調べてみたら、都内でも家の中にヤモリが出没する、
という例は少なからずあるらしい。我が家が特別じゃないんだ、
と知って、少しほっとする。
買っておいて、きちんと読んでいなかった「角川短歌11月号」(2019)
をぱらぱらと見ていたら、こんな歌にも出会った。

  風呂場より守宮つまみて逃がしたる感触のこる指に梨剥く
                 馬場あき子

みんな逞しく多摩地区を生きている(馬場さんは川崎市麻生区、
多摩丘陵のふもとに近い地区にお住まい)。
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