SSブログ

名古屋の朝食 [旅]

先月の中旬の連休、名古屋に行ってきました。私が所属する
「塔」短歌会では毎年この時期に社団法人の総会があり、
今年は名古屋で開催されたからです。名古屋って、何度か
訪れてはいるんだけれど、ちょっと立ち寄る、というくらいで、
宿泊したことは一度だけ。それももう、三十年位前のこと。

今回は駅の近くのビジネスホテルに予約をし、ちょっと
観光もすることにして。ついでに有名な名古屋の朝食を
味わってみたくて。朝七時にはホテルを出て、朝食を摂れる
喫茶店を探しました。駅ビル内は混んでいたので、結局
東京にも支店のあるTに・・・・。

そして、名古屋っていえば、あんこトーストかなあ、
と思いつつ、でも朝からあんこはちょっと、無理かも。
と、結局、普通にサラダとトースト、ベーコンエッグの
セットにしてしまいました。少し、ゆったりとした気分は
味わえたけれども。今度こそ、もう少し早く起きて、
運動もして、おなかすかせてから、あんこトーストに挑戦したい!
nice!(0)  コメント(0) 

絵を描いてみる [藝術]

DSC00419.JPG

一年半ほど前から、何をとち狂ってか・・・絵を描きだした。
五十年、一度も絵筆を握っていないのに。そして、ずっと、
自分は絵はとても描けない、って思っていたのに。

描きだしたらけえっこう、楽しい。まあ、上手には
描けなくて当然、楽しめばいいんだ、そして短歌のネタに
なれば儲けもんだ、くらいの感覚だった。
それでも少し指導してくれる人がいたらなあ、と思い始めた。

もと美術教師だった女性が、指導してくれるというアトリエを
みつけた。車で十分くらい。歩いてはいけないが、アトリエから
数分の所にコインパーキングがあり、そこを使って通えそう。
というわけで、一年半ほど前から、月に三度くらいずつアトリエに
顔を出し、先生の指導を仰いでいる。
といっても、その先生はかなりおおらかで、指導というより、
対等のお喋りをしている感覚。それにお喋り自体が好きな、
とても社交的な先生なのだった。

それでその後も、好きな様に描ければいいという、姿勢は、
基本的には変わってないのだけれど、描きだすと
欲も出てくる。恥をさらすようだが、やっぱ、人に
見てもらいたい気持ちも出てくるんだよね。
とりあえず、去年秋に書いていた絵を挙げることにした。
これは、小林征治氏の「葛飾公園」の模写だけれど。
模写は楽しい。人の絵を真似しているんだけれど、真似しながら
自分って何、どこにいるの、って探している感じがする。
nice!(0)  コメント(0) 

折々の作家・須賀敦子 [文学]

須賀敦子を私に勧めてくれたのは学生時代からの友人P。
二十年余り前で、須賀敦子が亡くなって間もなくの頃、
だったと思う。「もう読めなくなると思うと、少しずつ
惜しみながら味わっているの」と言っていた。それでまず、
図書館で探して手にしたのが『ユルスナールの靴』。
読んでみて、あまりピンとこなかった。それを彼女に告げると、
「ああ、あれはねえ、うん、あまり貴女に合わないかも」
と言い、他の書名をいくつか挙げてくれたのだった。

それを探して読み始めて、たちまち没頭していってしまう。
彼女が惹かれた理由がよくわかった。知性と感性とが
程よく綯い雑ざった緻密で、美しい文章。
イタリア人と結婚し、長くかの地で暮した人らしい、
歴史と文化とを生活の中で理解し、感得した者にしか
書けない、細やかな叙景描写。叙景描写とは、繊細な感性に
支えられて初めて形として立ち上がってくるものなのだと、
改めて思う。


 目のまえに、スポットライトで立体的に照らし出された
 フェニーチェ劇場の建物が、暗い夜の色を背に、ぽっかりと
 浮かんでいた。そして、建物を照らしている光のなかに
 一見して旅行者とわかる・・・男女の群れが、まるで英雄の
 帰還を待ちあぐむ群衆のように、広場とも言えない狭い空間の
 あちこち、・・・・うねりひびく音の波をそれぞれが胸に抱え
 こむようにして 地面に腰をおろしていた。あっと、思った
 つぎの瞬間、オーケストラの音を縫うようにして、澄んだ
 ソプラノが空を舞った。      須賀敦子『ヴェネツィアの宿』

ヨーロッパの小広場や、街角の雰囲気がありありと見えてくる。
次の『トリエステの坂道』に綴られる心情も、そこに至るまでの緻密な風景
描写があってこそ、鮮明に立ち上がってくる一節である。
 
 街にただようフレンチ・フライの匂いは、もうひとつ、私が
 トリエステに惹かれる理由に気づかせてくれた。サバのなかにも
 綿々と流れている異国性、或いは異文化の重層性。ユダヤ人を母として
 生れただけではなくて、サバはこのトリエステという、ウイーンと
 フィレンツェの文化が合流し、せめぎあう街に生きたのだった。
 ・・そして詩人は痛みと共にそれを知っていた。ふたつの世界に
 生きようとする者は、絶えず居心地の悪い思いにさいなまれる
 運命を逃れられないことを。
             須賀敦子『トリエステの坂道』
nice!(0)  コメント(0) 

動物の生態、ワンオペ子育て [生活]

BSプレミアムで放映されている「ワイルドライフ」の
ファンで、毎週欠かさずとはいかないが、かなりの頻度で
録画している。前にも書いたが、この番組は再放送も多いので、
その点は要注意である。録画しておいて、ああ、見ていたやつ
だった、とがっかりしたことがこれまで幾度もある。

動物の生態を見ていて面白いのは、第一に「狩の方法」
特に肉食獣のそれは、かなり凄い。それぞれの種が知恵と
体力と時に協調性を発揮して、自分たちよりはるかに大きく、
体力的にも優れた獣を倒したりする。その方法の巧みさに、
驚嘆し、見惚れる、ということも多々。

第二に面白いのは、子育てのやり方、である。
鳥類の子育ては、雌雄が力を合わせて行うことが多く、
その仲睦まじさも微笑ましい。見ていて楽しいのだが。

問題は哺乳類である。哺乳類の方が進化した動物と言える
はずなのに、どうして多くの哺乳類が雌だけで子育てするのか。
ずっと謎だったのだが、最近の新聞記事で、これは
オスが子育てに参加せず、より多くのメスと交尾した方が、
より多くの子孫を残せるということらしい。

でも、それはすさまじく残酷な状況も引き起こす。
子育て中の母親の子を、殺してしまうオスが後を絶たない。
自分の子を産ませて育てさせるためである。ライオンなどの
乳幼児の死亡は、大半が他の雄ライオンに殺されるからだそうだ。

母親だけの子育てもまた、悲惨を極める。
草食獣の多くはメスだけの群れをつくって共同で育てる、
という場合が多いようだが、問題は肉食獣である。
子育てしながらさらに狩をする、というリスクの中で、
命を落とす母親は多く、それはそのまま子供の死を意味する。

こうした動物たちの生態はそのまま、人間社会の一部と
シンクロしている。連れ子をいびり殺したり、放置して死に追いやる
義理の父親や母親のパートナーたち。
いわゆる「ワンオペ子育て」で疲労していく母親たち。
一方、母親ではなく父親の方が積極的に子育てを担っている、
という例も、人間社会にはあって、肉食獣には見られないこと。

動物の生態と似ている所、でも違っていて当たり前の所とを
併せて考えながら、いつも番組を見ている。
ほかにもWOWOWで放映されるBBCによる動物番組もまた、
秀逸な物が多く、こちらも見逃せない。
nice!(0)  コメント(0) 

新型肺炎 [生活]

中国の武漢から発生した新型コロナウイルスによる
感染が止まらない。十数年前のサーズの時のことが
思い出されて、心は暗澹としてくる。その年、五月の連休に
上海に行く予定を立てていて、航空料金などを振り込んでいた。
個人旅行で、上海に住む中国の知人と会う予定も立てていたが。

1,2月頃から顕在化してきていたサーズの感染は、
なんと四月に入っても、終息の様子が見えない。とうとうその知人が
「中国には、来ない方が良い」と連絡してきたのだった。
あれこれと迷ううちに四月の中旬を過ぎてしまい、出発日の
一週間ほど前になって、ようやく中止を決断した。
この時は、渡航制限が掛かっていなかったので、判断が遅れ、
違約金も取られてしまった。

当時に比べると人間のグローバルな動きが大幅に増えているから、
感染の速さと広がりはもう、目を覆うものがある。
こういう事態になるとは、ほんの一か月前まではほとんどの人が
心に留めずにいたのだから・・・。

サーズの時の教訓が生かされなかったのだろうか、と
いぶかしく思う・・・。
私が上海に滞在した2007年の夏のことを思い出す。
その時は、相棒の仕事で二か月ほど、中国の人が用意してくれた
2DKのマンション、というか、団地のようなところに住んだ。
すぐ近くには市場があったが、真夏というのに、ほとんどの店に
冷房どころか、冷蔵庫も用意されていず・・・。
肉類も、切ってからしばらく空中に放置したまま
商売をしている。ここでは、雑貨品以外の買い物はしなかった。

さらに30分ほど歩いたところに、大きなスーパーがあった。
ここはかなり近代的な感じの建物で、品ぞろえも良かったので、
遠かったけれど、ほぼ一日おきくらいに出かけて、食料を
調達していたのだが・・・。

驚くのは海鮮類を売るコーナーに、生きた動物が沢山いたこと。
蛇、蛙、亀、ハト・・・。う~ん、最初はペットショップが入っているのか、
と思い、あれこれと見入ってしまっていたのですが。
でもそれはすべて、食用なのだそうです、はい。

生きたままの動物を他の食品と並べて売るのは、どうなんだろう、
と思った。サーズが蔓延して以後のことだったし。
あの混乱から学んでいなかったのか、十余年を経ても。
nice!(0)  コメント(0)