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クラシックを聴く(その4) [藝術]

クラシックが少しだけ身近に感じられるようになった
きっかけは、ポップスだったが。さらに少しずつ間口を
広げてくれたのは、映像の世界だったな、と思い出す。

薬師丸ひろ子主演の『Wの悲劇』では、その劇中劇の
なかで、サテイのピアノ曲が使われていた記憶がある。
ああ、いいな、と気がつき、CDを買いに行った。
今も、「三つのジムノペディ」を聴いていると、つい
「おじいさまをころしたのは、わたしじゃない。
ふたりでそう、決めたんじゃない。」と必死に母親に訴える、
ひろ子ちゃんの声が耳に響いてくるのであった(アホか・・)。

他にも映画の中で使われていて、次第に馴染んでいった
クラシック音楽は多いはずなんだが、今、ちょっと思い出せない。
ちなみに、サテイだが、私は最初、パスカル・ロジェの演奏に
よるCDを購入しているのだが、しばらく後にもう一枚、
アルド・チッコリーニによるCDも買った。

これは、短歌に関係があるので、思い出深いCDである。
一時「塔」に在籍しておられた江畑實氏が第二歌集
『梨の形の詩学』を刊行されたのは1988年。その時、
「この題は、サティのピアノ曲から採ったんだ」と話されていた。
そして、歌集評を頼まれた私は、ロジェ版のCDに入っていなかった
「梨の形をした三つの小品」が聞きたくて、新たに購入したのだ。

二つのCDを聴き比べてみたことは、凄く良い経験になった。
同じ曲のはずなのに、こんなに違って聞こえるんだ、と気づいて。
演奏家によって、曲の解釈が異なるとは、聞いていたけれど。
ふ~ん、そうなのか、となんだかとても深いことを学んだ気になった。

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