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折々の作家・氷室冴子 [文学]

この項、思い出したときに、挟み込む形で書き継ごうと思います。
で、ずっと男性の作家が続き、女流も読んでいるはずだが、ええと、
と、考えていたら、先日の朝日新聞夕刊に氷室冴子の特集が・・・。
そうだった、私も夢中で読んだ、と懐かしさで胸いっぱいになりました。

読んでいたのは80年代後半から90年代前半の頃。
年齢的には三十代から四十代初めにかけて、だから、
ちょっとこの手の小説の読者としてはトウが立っていますわな。
氷室さんを知ったのは、何がきっかけだったんだろう。
最初に手にしたのは『アグネス白書』だったように思うのだけれど、
さだかではない。あまりの楽しさに、すべてを忘れ。

読み終わると、すぐに書店に駆け付け、氷室さんの本を探し、
時には書店をはしごして(我が家の徒歩圏内に書店が少なくとも7軒
もあったよき時代)、よみまくった。今も、持っているが、
たぶん、氷室さんの作品は全部購入して読んだはず。
紛失したものも何冊か、あるが。

で、代表作はやっぱ、『なんて素敵にジャパネスク』となるのかも。
平安王朝時代に、こんなに自由に物事を捉え、行動していた女の子が
いたら、と思うと、読みながら本当に胸がすく思いだった。

氷室さんは九十年代末頃から、ぱたっと作品を発表しなく
なってしまった。「ジャパネスク」シリーズの続編を、という
声が高く、それがプレッシャーになっている、とどこかに
書かれていた記憶もあるが・・・。当時はやはり体調を崩されて
いたことが大きかったらしい。

知らなかった私は、みんなもそうだったと思うが、「ジャパネスク」
の続きを待ちわびながら、彼女の訃報を耳にすることになった。
享年五十一。『少女小説家は死なない!』って本まで出していたのに、
何よ!(涙)
少し時間ができたら、また氷室作品を読みなおそうと思う。

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