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開高健・余談 [文学]

昨日の朝日新聞の朝刊、土曜日なので毎週、Beと
と名付けられた12ページ分の文化欄がついているのだが、
そこに「作家の口福」と名付けられたコラムがある。
一カ月交代で書き手が変わるシリーズで、今月の担当は
夢枕獏、今週は「モンゴルで食べたタルガバン」と題し、
モンゴルで一般的に食べられている野生のモルモットの
味について展開している。

二年前にモンゴルを訪れている相棒に早速聞いてみる。
「モンゴルで、タルガバンって、食べてみた?」
「あれは、ペストを媒介するって聞いたから、
食べなかった」との返答。モンゴルは今もペストの
発生率が高く、多くはこのげっ歯類が媒介しているのだそうだ。
ふ~ん。

そのあと、私はなぜか開高健のことを思い出していて、
その思考の流れは、タルガバン→ドードー鳥→開高道子
(ドードーが登場する『アリスの国の不思議な料理』を翻訳している)
→開高健、と続き、ああ、開高健、懐かしいなあ、何か書こう、
という気になり、そのままブログの新規作成へと、進んだのだが。

もう一度、『オーパ』シリーズを確認してみようと思って、
本棚にもう長く立てかけたままにしていた『オーパ、オーパ!!』
を引っ張り出してみた。四半世紀も前、スリランカに出かけるときに
購入した、「モンゴル・中国・スリランカ」篇である。
手にとってみて、スリランカの項以外は、ぱらっと写真を見る
程度。きちんと読んでいなかったことに気がついた。

モンゴル篇を読みだしたところで視線が止まった。
見開き全部が写真ページ。モンゴルの美しい青空の下、草原の斜面で、
銃を構える今はなき、開高健(若い!)。
そしてその次の写真ページには、獲物であるタルガバンを
見事射止め、得意そうに微笑む開高と、その足元にうつぶせている、
大きな(まるで狸くらいもある)タルガバンの姿があった・・・。
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