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フジコ・ヘミング・続 [藝術]

「フジコ・ヘミングソロコンサート」を鑑賞した後、
ドキュメンタリ映画になっている「フジコ・ヘミングの時間」を観た。
冒頭、手作りらしい小冊子が画面いっぱいに登場する。
彼女が十四歳の夏休みに書いた「絵日記」らしい。

頁の上半分に描かれている、絵が素晴らしいのにびっくり。
色彩がすばらしく鮮やか、そして登場する人間の描き方が、
独特なのである。手や足が、少々アンバランス。でも、それがそのまま
絵としての味わいになっていて、眼を奪われる。

ああ、この人は、画家としても成功していたかもしれない。
と思った。同時に、この絵を見たことによって、彼女の
音楽の秘密も覗けたような気がした。つまり、型破りで
個性的、なのである。この曲は、こう弾くべき。とか
こう解釈すべき、という縛りがない、囚われない、ということ。

一つの音楽を自分のものにする。人の評価なんかには
気に留めず、まっすぐに自分の道をゆく。
彼女の演奏から受ける、何かとてつもなく大きな熱量
のようなものは、そういうものだったのかも、と思えた。

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