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豚肉の生姜焼き [食文化]

何度か書いているが、私は大学卒業後、
首都圏の某自治体に就職した。
同じ部署に配属された11人の同期のなかで、
女子は、Nさんと私の二人だけ。それで、その後もずっと
親しくお付き合いしていたのだが、彼女は
短大の栄養学科を卒業していて、お料理が抜群に
上手だった。色々教えてもらったことも多い。

豚肉の生姜焼きは、彼女が紹介してくれた料理書
『美味しい肉料理』に載っていたので、その作り方で
ずっと作っていた。簡単に言うと、おろし生姜の絞り汁に
みりんと醤油を混ぜてたれをつくり、そこに薄切り豚肉を
三十分くらい漬け込んだ後、フライパンで焼く、というもの。

あれからだいぶ経ち、私は自治体を辞めてしまった。
家で仕事をするようになり、昼食は外食することも
多くなり・・・。一時期、ランチが気に入って
通っていたカフェで、時々「豚肉の甘酢焼き」という
メニューが登場していた。これが抜群に美味だった。

薄切りの豚肉に小麦粉をまぶしてさっと焼いた後、
甘酢のたれを絡めて作るらしい。それで、ふっと
思ったのが、豚肉の生姜焼きの作り方だった。

たれに付け込むと、味が染みておいしいが、
豚肉がやや硬くなる傾向がある。たぶん、焼く時間を短くすれば、
固くなるのを防げるのだろうが、豚肉はきちんと火が通っていないと、
不安な気持ちになる。
それなら、小麦粉をまぶして両面を焼いた後で、
生姜のたれを絡めるというのは、どうだろう。

最近、あまり生姜焼きを作っていなかったのだが、
二、三日前、おいしそうな生姜焼き用の豚肉を
入手したので、作ってみた。先に小麦粉をまぶして
焼いた後でたれをさっと絡めると、これが実に柔らかく
美味だった。

Nさんは今、どうしているのかな、とちょっと思った。
長く年賀状のやり取りだけは続けてきていた。
昨年末、私は父のことでばたばたしていて、ほとんど
年賀状を出さずじまいだった。不思議なことに、彼女からも、
初めて年賀状が届かなかった。こちらのことを察知されてたみたいに。
Nちゃん、教えてくれたシチューは、今も時々作ってますよ~。

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