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絵本を読む・再々 [藝術]

子牛の絵を描きたい、描かなくちゃ、という状況になった
八月。考えてみると、身近に子牛を見たことがなかった、と気づく。
角はあったかな、鼻の形はどうだったろう、と疑問が満載。
動物の絵の手引書を見ても、親牛は載っているが子牛はない。

絵本ではどうかな、と試しに図書館の検索機で「こうし」で探してみて、
見つかったのがA・リンドグレーン作、M・テークヴィスト絵
『こうしはそりにのって』(金の星社刊)。二十年位前に出た本。
作者はあの長靴下のピッピを生んだ作家である。絵を担当した画家さんは、
リンドグレーンの作品の翻訳を担当した人の娘さんなのだとか。

柔らかい水彩のタッチが美しい絵だな、と気に入り、また、
子牛も当然登場するので、借りて帰ってじっくり読むことに。
少々違和感があったのは、題に「こうし」が登場するのに、
肝心の表紙には、馬と橇に載る人物が描かれているだけと言う点。
ちょっと、これではまずいのではないか、と私は思う。

ストーリーは、裕福な牧場経営者の男性が、こうしを買い取るものの、
酔っぱらって、家に帰る途中、雪道に放り投げてしまう。
それを拾ったのが、最近、子牛を失って落胆していた貧しい農家の
少年。彼は子牛を大切に育てようとするのだが・・・。

絵本の途中には、子牛を買った牧場主が馬橇で帰宅の途中、
後ろの荷台に子牛をみつけて、あっけにとられる、と言う場面がある。
雪がやんだ星空のもと、青い影を引きながら走る馬橇が幻想的に描かれていて
この絵には心惹かれるものがあった(これを表紙にすればよかったのに)

それで、子牛の絵を練習するという意味も兼ねて、このページを
6号の大きさの画用紙に水彩絵の具で模写することにした。
ちょうど今月は、絵を描きに行っているアトリエのミニ展覧会が
あるというので、そこに出すことに決めて、少々気合を入れて描いた。
模写を出すのは気が引けるが、まあまだルーキーだからいいか。

先生はこの挿絵の画家さんをあまり評価されていないようで、
「馬が描いてあるのに、馬、と気づくまで時間がかかりました。
わかりにくいのはまずいでしょ。模写に徹せず、じぶんなりに
馬らしく見えるように描きなさい」と言われてしまった。
そのあたり、工夫しながら挑戦してみたのだけれど。
来週、展覧会の飾りつけをするらしい。仲間たちはどう見てくれるかな。
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