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歳末のユーミン [藝術]

大晦日の定番「紅白歌合戦」は、ここ何年も見たり、見なかったり。
見るという年も、途中から、ちょこちょこ、拾い見する感じで。
昨晩の紅白もまた。八時過ぎにNHKにチャンネルを合わせ、何か
しながら、時々覗く。で、じっくり見たのは藤井風(ピアノ演奏、凄!)。
それから、大好きなユーミン! AIを駆使して、荒井由実と松任谷由実が
デュエットするという、乙な演出もあったし・・・。今の音楽シーンの、
世代間格差を埋めようとしたら、頼れるのはサザンか、ユーミンか、
ってテレビ局側の事情もあったんだよね。

そして選ばれた曲は「卒業写真」でした。うん、それは固い線だなあ、
と思いつつ、口ずさみながらじっくり聞きました。

ユーミンには少ないながら「学園もの」と呼べそうな作品があって、
「卒業写真」のほかに、「最後の春休み」という歌もある。
私は当初「最後の・・」の方が好きだったんだけれど。

三十代の初めころ、まだお勤めしていたのだが、同僚の人と
同じ車で仕事へ向かっていた時、カーラジオから「卒業写真」が流れ
(三月の繁忙期で、もう、くたくただった私。車の中でウトウト、
していたんだけれど、同僚(私より数歳年下の男性)が、ラジオに
合わせて歌い出し、はっとしたんだった。私は今、まさに
「ひとごみにながされて かわっていく・・」って感じだ、と。

一方の「最後の・・」の方は、憧れている相手の男性の様子が、
かなり具体的に出て来て、学生時代の淡い恋、って感じがアリアリ
だけれど、「卒業写真」に、相手への恋心は、表現されていない。
その雰囲気は「優しい目をしている」の一言だけ。

学生時代の「誰か」は、たぶん、特定の誰か、ではないのだ。
学生時代に抱いていた、未来への思い、すがすがしい心意気、
若いときめきそのもの、その象徴が「卒業写真のあの人」なのだろう。
ここに、この歌が歌い継がれていく、理由が、つまり普遍性が
あるんだよね。

年末の話題から書き始めた今年のブログ、でも、「卒業写真」を
胸に秘めながら、今年も新しいことに挑戦していけたらいいな、
と思っています。今年もよろしくお願いします。
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