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英語の詞(その5) [言葉]

高校二年生くらいの時、ラジオから聞こえてきた
ある英語の歌に、耳が止まった。そのメロディは確かに
聞き覚えがあったからである。
小学校低学年の頃、ちょっとばかり不良っぽいオニイサンが
歌っていた曲と同じで、日本語であったのだが・・。
そうか、原曲はこっちだったのか、と気づいた私は
耳を澄まして、なんとか英語で書きとろうとしたのだが。

凄い早口の英語で、なかなか難しい。
友達に話すと、なんと週刊誌の付録だったらしい
流行歌楽譜集、みたいな小冊子を貸してくれたのだ。
この歌はリバイバルソングとしてヒット中だとかで、
たまたまその本に掲載されていたのである。

私は嬉々としてノートに写し取った。以前にこのコーナーで書いた、
五線譜のノートに。今開いてみると、自分でも驚くほど
綺麗に音符を写し、その下に、歌詞を細かに書き込んである。
日本語の歌は、だいたいが一音に一語で歌うようになっているが、
英語の歌詞は、そうではない。結構早口で発音しないと、
歌詞が音に追いついていかない。どの音でどれだけ発音するかを
厳密に書いておかないと、正確に歌えなくなるのである。
聞いただけで歌える人もいるだろうけれど、私は残念ながら
耳が良くないのだった。

日本の不良っぽいオニイサンが歌っていた時、その歌の名前は
「恋の片道切符」だった。原題は「One way ticket」。
つまりあっさりと「片道切符」である。

  Choo choo choo choo train a chuggin down the track
  Gotta travel on never comin' back woo oo oo
Gotta one way ticket to the blues

写した歌詞を読んでみても、なんだかよくわからない詞だった。
それでも原語で歌えるようになったことが嬉しくて、
一人でこっそり口づさみながら、楽しんでいたことが蘇る。

原詞がわかると、日本語訳の歌なんか、とても聞いていられない、
という気持ちになった。訳されてヒットした歌が他にもあることを知り、
調べてみて、自分で訳しながら歌ってみようとしたのだけれど。
なかなか楽譜が入手できず、断念せざるを得なかった。
市販のポップスの楽譜は高価で、当時いつも金欠に
悩んでいた私は、とても手が出なかったのである。
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