SSブログ

短歌ブーム、かな [短歌]

私の住む、東京都の郊外にあるM市。我家は中心部から南に逸れていて、
商業地区には、車か、一駅だけだが、電車を利用する。そこには、大型の
商店が揃っていて、都心に出かけなくても大抵のものは揃う。だが、
歌集、となると別だった。短歌の総合誌も、そこでは買えなかった。
澁谷か新宿へ出かけた折には、必ず書店に寄って、できるだけ購入する
ということを心掛けていたのだけれども。

数年前から、少しずつ、事情が変わってきた。M市中心部にある
デパートの中に出店しているK書店では、かなりの歌集を置いているし、
短歌総合誌も、目ぼしいものは置いてある。時々お目当ての雑誌を
買いに行くが、発売日をかなりすぎると、もう売り切れていることもある。

先日、用事を済ませた帰りに、いつものようにK書店に立ち寄ると、
歌集の棚(といっても、上段は詩集、下段は句集で、歌集の棚はその
間の三、四段くらいなのだが)の前に、小柄な女子高生が立っていて、
歌集を熱心に選んでいる様子だった。ええ、こんな光景を見ることが
できるなんて・・・。と、しばし感動しながら、さりげなく近くに立つ。

あまり近寄ると変質者と間違われそうなので、そこは節度が必要なのだが。
どんな本を選ぶのか、気になってしょうがない。女子高生は、地味な紺色の
制服を着ている。私はごく近くの都立高の制服しか知らないのだが、
スカートの柄が違っている。どこの高校生なんだろう(って、周囲から
見る人がいたら、かなり危なく映ったかも)。

女子高生は、なんと三冊の歌集を選び、そのままレジへと立ち去った。
残念、どの歌集を選んだのか、最後までわからなかった。でも、三冊も!
ちょっと、ウルウルしそうになる。彼女にとって、どうか有益な買い物と
なりますように。ちなみに、自分の高校時代を思い返すと、あまりにもボンビーで、
文庫本一冊買うのも、清水の舞台、だったけれどなあ・・・。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0