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『母親になって…』続 [読書]

O・ドーナド著『母親になって後悔してる』について、
続けて書くことにしよう。この著は六章立てになっていて、
第一章は「母親になる道筋」。ここに登場する女性たちの
ほとんどが主体的に出産を選んだのではなさそうである。

 この社会では「子供をいつ生むの」という質問が待ち構えていて
 (母になれば)最前線で戦う必要がなくなります。‥‥

同様な立場から出産を選んだという人が複数。なんとなく、
選択の余地なく、気がついたら母になっていた、という女性も多い。

結婚する前は「いつ結婚するのか、付き合っている人はいないのか」
と問いただされ、結婚したらしたで「子供はまだか」という
問いにさらされる。男性もそうだろうが、こういう質問で受ける
精神的な圧は、女性の方が圧倒的に強いだろう。とにかく、
結婚してしまえば、生んでしまえば、あとは好きな様に生きられる、
と思ったとしても、それは当然なのではないだろうか。

でも「母になること」「母という立場でいること」は、それ以上に
ストレスのたまること、のように思える。自分の生活設計が
どんどん狂っていく、あるいは自分らしく生きられない、と
焦る女性が出てくるのは避けられないだろう。

本来、幸せな営為であるはずの子育てに、満たされない、
という思いを抱いてしまうのは、多く、
自分の人生を主体的に生きられない、という思いから
発生しているように思える。人生に何かしら大きな夢を
抱いている人ほど、その傾向は強まるだろう。

結婚や出産は個人の生き方の、一つの選択に過ぎない。
そう、みんなが思えるような社会にしていくことが第一歩と思う。
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