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洋菓子系 [食文化]

子供の頃、ご多分に漏れず甘いものが大好きだった。
とりわけ、洋菓子へのあこがれが強くて。
チョコパフェとか、生クリームでデコされたケーキは、
わたしにとっての、お菓子の頂点、ともいうべき存在で。

大人になった今、甘味への執着はかなり薄れ、
むしろ、その渇望感にこそ、こだわっているような気がする。

でも最近、あるファミレスで昼食を食べた後、
まだ、おなかに余裕がありそうだな、と思えてしまった。
本当に衝動的に、デザートを頼むことにした。
メニューをぱっと見て、目に留まったのは
抹茶プリンソフト。抹茶入りのプリンの上に、
ソフトクリームが載っている。
かなり重たげな甘味で、いつもなら
ちょっと、興味が湧いても、食べようとはしない類のものだが。

運ばれてきて、複雑な気持ちになった。
子供の頃に親の厳しい視線に耐えながら、「チョコパフェ、食べたい」
と粘り、ようやく眼前に出てきた時の、ときめきと
少しばかりの罪悪感が蘇ってきたからだ。
今の罪悪感には、「カロリー超過じゃないのか」
という、理性のささやきが混じる。

このお店の抹茶プリンソフトには、黒蜜が
小さなグラスに入って添えられてきていた。
まずは、黒蜜なし、でソフトクリームを掬って
口に入れる。うん、口どけが爽やかで、なかなかだ。
下の方の、抹茶プリンも掬い出して頬張る。
やや、もったりと重い感じ。作ってから少々、時間が経っているのかな。
まあ、ファミレスだから、そのへんは仕方ないかも。

次いで、黒蜜をゆっくりと細目に掛けていく。
そして、食べてみると、う~ん、と唸ってしまった。
美味しいのである。全体がこの蜜のコクで、
ぐんと、嵩上げされたような感じさえする。
さわやかな青春の味のソフトクリームに、
ほんの少し、人生の苦みが加わったような気さえして。

ああ、美味しいなあ、とひとり悦に入ってしまった。
こういう甘味を食べるのは、本当に数年ぶりのことじゃないだろうか、
また食べよう。少し運動量も増やして・・・。

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