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地方紙を読む [言葉]

昨年は、山形新聞に大変お世話になってしまった。

昨年一月に歌集を発刊し、その中に山形で暮していた日々を
詠んだ作品を入れたので、山形新聞社にも寄贈したところ、
幸い、記者さんの目に留まり、Zoomでインタビューを受け、
私の物書きについての仕事内容などをかなり大きく紹介して頂けたのである。
続いて刊行した『砂糖をめぐる旅』という紀行文についても、書評を
載せて頂いたり・・・。それを目にした旧友から連絡があったり・・・。

ご縁に感謝し、昨年12月から山形新聞の電子版を購読することにした。
結構簡単に手続き出来て、毎朝、PCを開くのが楽しみなほどの
愛読者になりました。ちなみに電子版は月ぎめだと一か月2千円くらい。

一番面白く読んでいるのは、山形県ゆかりの人物を紹介する「やまがた再発見」
と題された記事で、毎週日曜日に掲載されている。
先月は何度かに渡って、佐藤寛次氏が取り上げられていて楽しかった。
戦前に活躍した農業経済学者で、私が一時席を置いていた米沢市の高校の
卒業生であり、また相棒の職場にも関係する人だったから
なおさら、身近に感じた記事だった。
先々週からは、比較文学者の芳賀徹氏が取り上げられている。幼少時を
山形で暮し、その後の活動にかの地で暮した経験が生きていた方だったようだ。

次に楽しみなのは、俳壇や歌壇。
特に俳句は、山形ならではの風土性が生きていて、こういう短い定型詩は、
小さな共同体でこそ深く鑑賞されるものなのではないか、との思いを
新たにする。たとえば

  雪囲い到来物の夕餉かな 國井寧

雪の季節が来る前、どの家でも雪囲いに追われる。ガラス戸などが
雪の圧力で割れたりする被害から守るため、板などを打ちつけて囲う。
かなりの大仕事で、その日は、食事の支度の余裕がなく、たぶん、
ご近所からの差し入れで済ませたのだろう。雪国ならではの
生活習慣と助け合いが感じられる。雪のない国では二句以下への
展開が理解できないのではないだろうか。

 除雪車の村を揺るがす夜明け前  高橋真喜子

雪が大量に降った朝、早くから活躍してくれる除雪車。
その音は、村全体を揺るがすほどで、有難いが、なかなか
安眠を妨げるものでもあるようだ。こちらも雪国の生活の厳しさを
端的に描いている。

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