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題詠「註」 [短歌]

先日の日曜日は私が所属する「塔短歌会」横浜支部の歌会の日。
今月は題詠の月で、出されていたお題がなんと、「註」!
「注」ではありませぬ。先々月の歌会の時、出題担当のKさん
(男性)がこのお題をホワイトボードに書かれたときは悲鳴が
あがりました。そうだよね、もう動かしようのない「註」。

それでもみんな、とても努力された跡があり、なかなか面白い
歌会になりました。全体としては比喩として詠んだ方が多かったかな。

私は30年ほども前に、舗道の花壇を「都市の傍注」と、詠んだ
記憶があり、もう比喩の「註」は読みたくないな、と思って
しまっていました。やはり、直球勝負すべきか、とも思うけれど
なんだか意欲がわかなくて、今回はかなり困った。これまでに
作った歌と同じような作品になってしまう恐れが大だったので。

思い切って、遊ぶことにしました。その歌は

   司会の方へ:上の句は番号だけをお読みください
①韶ぐ②浣ぐ③沃ぐ④紹ぐ⑤雪ぐ⑥註ぐ⑦纘ぐ そそ(ぐ)と読める漢字を挙げよ

まあ、何の意味もない、お遊びのうたでありましたが、遊べる、と
思ったのは作者だけだったようで。
「どれが、そそ(ぐ)と読めるか、調べなかったけど」
という方も多く。まあ、面倒くさい、と言うだけのうたになっちまった
ようでした(汗)。「これで、何か得られるものってある?」という総評も。
私は知らない漢字や、読みのわからない漢字がみつかると
萌える、ほうなのだけれど、そういうのって、やっぱ変わり者?

一方で。
「註」という存在を利用して、日本社会の歪みや遅れている部分を指摘
している作品が複数出て来ていて、ああ、凄いなあ、と嘆息する。
題詠の扱い方、その多様性に気づかされ・・・。
横浜歌会のレベルの高さををあらためて思い知らされた1日になりました。
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