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female [藝術]

栗木京子さんの自選歌集『二十五時』(沖積舎)の巻末に
「お針娘志願」というエッセイが掲載されている。それによると
栗木さんは二十代前半に、いわゆる縫製教室のようなところに一年ほど
通われていたらしい。週に4日、午前十時から午後三時まで、というから
かなり本格的! なんだかイメージと違って、その落差に萌えそうに
なった私でした。私にも服作りをしていた時期(二十代~四十代)が
あったが、何処かに通ってまで、というほど熱心でもなく。ただ、
簡便な夏服くらいが縫えればいい、という程度で。

私の指南役をしてくれたのは、もっぱら本だった。特に利用したのは
「female」(ブティック社)という月刊雑誌である。

このブログの「ハローウインと変身願望」という記事で書いたことが
あるが、魔女に変装しようと志して、黒のワンピースを購入しようと
したところ、イメージ通りの品となると、高級品しか見当たらず。
それで、自分で縫ったという記憶があった。もう三十年近く前のことに
なり、詳細を忘れていたのだが、最近「female」のことを思い出し、
そして、この雑誌に毎回連載されていた「手作り自慢大集合」という頁に
応募したことを思い出し、本棚から引っ張り出してみると、
なんと作っていたのは、ワンピースではなく、袖をつけるのが面倒で、
ジャンバースカートに変更していたんだった!

その時の写真、ちょっぴり恥ずかしいけれど、掲載します(1994年7月号)。

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手に持っているのが、魔女に変装を促してくれた『魔女図鑑』。
私は十数冊の絵本を翻訳出版してきたけれど、現時点で絶版を
まぬかれているのは、この『魔女図鑑』と『どうぶつがいっぱい!』だけ。
どちらも図鑑的で、何か調べるのに適している、というところが支持されて
いる理由だろうか。

  ハロウィンが近づいたからま女図かんかりに二階のママ図書館へ
                         山添聡介

11月20日の朝日歌壇、馬場あき子氏と高野公彦氏との共選をうけた
小学生の作品である。高野氏の選評に「ハロウィンが近づき、魔女
図鑑で勉強する小学生」とある。勉強、というか、調べものするんだよね。
お料理、縫物、編み物、占い、ことわざ、薬草、などなど、魔女に関する
あらゆるノウハウが詰まっているこの本、翻訳はとても大変だったので、
刊行から三十年経っていても、利用されているのがとても嬉しい。
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