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クラシックを聴く(その3) [藝術]

「青い影」という曲を初めて聞いたのは、高校一年生の時。
当時は和製ポップスはグループサウンズの全盛期で、洋楽は
ビートルズが圧倒的な存在感を示していた。ベトナム戦争が
泥沼化し、反戦歌も多く流れていたのだが・・・。

「青い影」は、プロコルハルムというちょっと変わった名前の、
イギリスのグループによるポップスだったが・・・。冒頭から
低いオルガンの音が響く、なんだか荘厳な感じのする曲で・・。
とても宗教的な雰囲気があって、心を捉えられたのだった。

音楽に詳しい同級生が、あれはたぶん、バッハの「G線上のアリア」を
下敷きにしている、と言い出した。
ポップスとクラシックは隔絶したもの、という印象を持っていた私は、
ちょっと驚いた。バッハのその曲を聴いてみたいと思い続けていて。
偶然、何かのきっかけで聞く機会が持てた。のだが・・・。
全体をたゆたうような、ちょっと憂鬱な旋律が、「青い影」との
共通点かな、と思えるだけで、よくわからなかった。

でも、その旋律を心の中で繰り返し聴いているうちに、
バッハが少しずつ身近なものに感じられるようになった。
クラシックというと、つい聞く前に身構えてしまう、
曲全体の世界観、みたいなものを感じ取らなくちゃ、とか、
思い込んでいたような気もする。でも、もっと自由に
聴いていいんだ、という当たり前のことを、「青い影」と
バッハから教わったような気もするのである。

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