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再びの絵本・いわむらかずお [藝術]

私が時々絵を描きに行っているアトリエ・A。
Aの先生が最も心服している絵本作家はなんといっても、
いわむらかずお、「14ひきのねずみシリーズ」の作者である。
通い始めて間もなく、絵本の話題になったとき、すぐに
このシリーズの一冊を持ち出してきた。そして
「ずっと、憧れていて、でもどうしたって辿り着けない
ような気がして、手元に置くのさえ嫌で。ようやく
最近になって、購入する気になったのよ」

先生の本には、購入日がサインペンで記入してあり、
その本には「2015年〇月」となっていた。
ふ~ん、なるほど。そうかあ・・・。

いわむらかずおの14匹シリーズは、よく図書館で
ぱらぱらとめくってみていたけれど、そして
なかなか好ましい絵ではあると思ったけれど、
やや漫画っぽいかな、軽いかなという気がしていた。
特に大好き、というほどの絵本ではなかったのである。

先生が魅入られているのは、14匹の鼠たちのイラスト、
より以上に、背景の処理や、登場する自然の描写の巧みさ、
のほうにあるらしい。そういわれてみて、ようやく、
登場する鼠たち以外に、目が行くようになった。

木木の間を抜けて、地上に差す、光の濃淡。
鼠たちの使う木の家具の、細やかな描写。
もう日本人が使わなくなったかまどや、竹籠、桶、
背負子、ふいごや、十能などの、家庭用品の数々。
一頁の中にぎっしり詰まっている情報の豊かさに、
いつまでも見ていたくなる。

それで私もまた、シリーズの一冊を購入しました。
「14ひきのあさごはん」。時々、開いては楽しんでいるこの頃。
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