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宇治拾遺物語 [文学]

高校生の頃は、古文は苦手な方だった。源氏物語、更級日記、
土佐日記、平家物語・・・。冒頭の数十行を読んでみて、素晴らしい!
と感動することは確かにあったが、いずれも読了した記憶はない。
古語の言い回しが理解できず、まどろっこしく感じ、興味が持続しなかった。
分らなくなったら、現代語訳を読んで、内容を理解してから原文に戻る、
というやり方をしておけばよかったのだった。後悔すれど、時すでに遅し。

この暑い夏、もうゾンビ状態になってしまって、頭が動かない。
図書館に出かけるのさえ億劫になってしまい、自分の書棚を漁って、
積読のままになっている本や、中学生の頃に読んでいた本を読み返している。
谷崎潤一郎と芥川龍之介を拾い読みしたところで、彼らの作品に
元ネタを提供したらしい、『宇治拾遺物語』にも目を通すことにした。

すると、これがなかなか面白い。私が持っているのは、短歌を始めた頃に
購入した中島悦次校註の角川文庫版で、現代語訳はついていない。

高校生の時はほとんど理解できなかったと思うのだが、今読んでみると
結構わかる! まあ、短歌を四十年もやっているのだから、それとなく
文語的な言い回しに慣れてきている、ということはあると思われるが・・・。

分らないところはざっと飛ばし読みして、あとからネットで調べることにした。
現代語訳が読めるサイトあるんだよね。ほんと、便利な世の中になったんだ。

宇治拾遺は民話風な説話も多いのだが、下世話な内容に驚かされることしばしば。
汚らしかったり、いやらしかったり、こんなアホな話をわざわざ、と呆れたり。
当時の「三文週刊誌」的な存在だったのかなあ、なんて想像しながら読んでいる。
その間は、ちょっぴり、暑さを忘れられるし。
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