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置賜の味・行者にんにく [食文化]

今回の米沢への旅で、初めて目にした野菜の一つが行者にんにく。
名前を知ったのはずっと前に読んだ中国の古典『紅楼夢』による。
栄華を誇る大家族の、一大没落物語なのだが、ここに登場する若い
やり手の嫁・王熙鳳が「まるで水辺の行者にんにくのよう」と語る場面がある。
これは「行者ニンニクのようにすらりと美しい」という意味らしい。
はてさて、行者ニンニクとはどんな植物なんだろうと、疑問に思ったことだ。

あれから二十年近く。私はようやく実物に出会えたわけである。
葉っぱは水芭蕉にも似ていて、なるほど茎はすらりと伸びている。鱗茎や葉、
蕾などが食用され、味は山菜だけに大蒜よりも強く、慣れると病みつきになるとか。

今回は残念ながら、行者ニンニクを味わう機会はなかったのだが。
今朝の山形新聞電子版を読んでいたら、「行者菜」という見出しが目に留まった。
長井市特産の野菜で、行者ニンニクと韮を交配させた品種で、生活習慣病に
効果があるという硫化アリルやビタミンを多く含むのだとか・・・。
収穫期も五~九月と長く、年に三、四回収穫できるというから力強い。

行者ニンニクの名前の由来は、修験道の行者が精力をつけるために
食べていた、というところから、らしい。山の力、を象徴するような
植物だったんだろうなあ、とあらためて思う。
行者ニンニク、そして行者菜、いつか味見できる日を期待したい。
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