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歌会が済んで、日が暮れて [生活]

五月五日、私が所属している「塔短歌会」、毎月参加している横浜歌会は
第一日曜定例、今年は子供の日に当たった。題詠の月で、お題はNさんが
出題された「運」。私は結構苦戦した題だった。面白かったなあ、と
歌会を反芻しながら帰途についた。もうあと数分で我家、という道の途中、
私は黒い皮財布をみつけてしまったのである。持ち上げると、ずっしりと
重い。お札入れの部分から、数枚の千円札、そして免許証らしい色彩の
カード、クレジットカードらしきものの縁も見えた。

交番に届けよう、でも・・・。近くに交番はなく、駅前まで引き返さないと
いけない。少し疲れていたが、私はすぐに交番目指して、踵を返していた。
数年前、相棒が銀行のカードとスイカなどを入れたカードケースを紛失
したことがある。銀行へ連絡した後、念のために近くの交番に尋ねてみると
なんと届いていたことがあった。どなたが届けてくれたのか、とても感謝
したことだった。この財布も無事、持ち主に届くといいのだけれど。

それにしても、歌会の後って、何かあるなあ、歩きながら思い出に浸った。
私は二次会にはほとんど出席しないのだが、ある日の歌会後、Kさんから
誘われて、近くの喫茶店でお喋りしたことがある。だいぶ前の11月だった。

当たりがすっかり暗くなっていて、家に近づいたとき、近所の家の前に
何台もの車が止まっていて、懐中電灯を持った捜査員風の男性たちが
路上で何か調べている様子が見えた。その夜八時過ぎ、警官が二人
我が家に訪ねて来て、近くのお宅に強盗が押し入ったことを告げ、
ついては不審な二人組を見なかったか、と尋ねられ、驚いたことだった。

また、歌会後、帰宅すると、我が家に予定外の客人がいたことが二度ある。
相棒の古くからの友人K氏で、私も学生時代に彼から紹介してもらっているので
私にとっても古い知人になるのだが。彼は当時中国に住んでいて、帰国すると
我家に泊りに来るのだった。歌会の後の疲れた体には、ちょっと複雑な
気分なのだが。彼はいつまでたっても昔の学生風、連絡などせずに
いきなりやってくる。相棒が「作り置きのカレーは二人分だけだろ?
これから、どこかで外食しに行こうよ」と耳打ちしてくる。

歌会の後、どうもあまり良いことはなさそうな私。
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