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七光と個性と [藝術]

普段、「なんでも鑑定団」「お魚が食べたい」「プレバト」など、
幾つかのTV番組を自動録画に設定している。ところが、お正月で
特別番組が流れていた時も、設定時間そのままに録画されていて・・。
あれれ、とビックリするような番組が録画されておりました。
バラエティがほとんどなので、即削除したのですが、一つだけ、
音楽番組が入っていたので、時間が空いた時のために取って置き、
二日ほど前に、見てみました。

実際の番組ははるかに長いらしいが、録画予約していた番組の一時間分だけ、
録画され、何やら中途半端なところから始まる。昭和期の歌謡曲番組で
布施明とかが、昭和後期の他の歌手のヒット曲を二、三曲歌ったところで、
「親子共演」とかいうコーナーになった。
登場するのは四組の親子で、親の方は昭和歌謡に馴染んだ人には
懐かしい有名歌手ばかり。伊東ゆかり、鳥羽一郎、菅原洋一、そして
野口五郎である。でも、彼らの子供たちが歌手を目指していた(すでに
デビューしている人もいる)とは、全く知らなかった、というか、へえ、
子ども、いたんだ、というくらいに何も知らなかった。

鳥羽一郎だけは、子供二人をはべらせるだけで、全部ひとりで歌っていたが
(何のために出したんだろう)、菅原洋一と伊東ゆかりは、親子共演、
一緒に歌を歌う部分もあった。野口五郎の娘さんは音大の学生とか。
野口の歌に、ピアノ伴奏をしていた(声は一言も聞けなかった)。

大物歌手の子供って立場も、大変だろうなあ、と思ってしまう。まあ、
芸能界で成功するのはもともとが大変なこと。七光り、に頼ってやって
いけるほど甘いものではないはず。何より、個性が大事な世界だから。
親の優れた音感を受け継ぎ、音楽をいつも身近に聴き、業界に知人は多く
・・・・というスタート前から恵まれた環境にあったとしても、
親と同じように一線で活躍し続ける、ということは難しいだろう。

昨日、八代亜紀さんの訃報が流れ、ちょっと驚いた。療養中ということも
知らないでいたので。テレビから流れる、懐かしいヒット曲の数々を
耳にしながら、彼女の歌声の個性的だったことをしみじみと思い返した。
あの「せきす~い はうすぅ~」 なんていうCMだって、八代亜紀そのもの
だったことに驚嘆したことを思い出す。
そして、自分の短歌についても思いを巡らしてしまう。

 わがうたにわれの紋章のいまだあらずたそがれのごとくかなしみきたる 
                    葛原妙子『橙黄』
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