SSブログ

ユーモアについて [言葉]

さりげないユーモアは、人間関係を円滑にするし、何といっても
発話者の余裕が感じられて、すてきなものだ。私がお勤めしていた時代、
異動期に歓送迎会が開かれていて、参加するのが気が重い時が
あった。円満退職者や、栄転のひとの歓送迎は良いとして、中には
やむを得ない退職や、降格的な人事による配転もあったから。
期待していた配転ができず、据え置きになってしまったAさんが、宴会の席で
「いや~、どうもねえ、名簿のちょうど見開きの真ん中あたりに、僕の
名前が載ってしまっているようで、担当者の目につきにくいんでしょうね」
と、さらりと言って、場を和ませていたことを覚えている。

映画の題は忘れてしまったが、確かフランス映画だったと記憶する。
妻が余命宣告された老夫婦が主人公で、夫が介護しつつ二人暮しを
続けているという、かなりシリアスな内容だった。
夫婦にはイギリス人と結婚した娘がいて、今は英国住まいなのだが、
両親を心配して、二人で帰国する、と連絡が入る、その時の夫婦の会話。
「今はあの、イギリス人特有のユーモアに耐えられる状態ではない」
「私も。帰国は断りましょう」

ああ、フランス人もそうなんだな、と深く納得したことだった。
イギリス人のユーモア、と言うのは時に、その域を超えている、と
感じられることが結構多いから。日本人が真面目過ぎるから?
と、言う訳でもなさそうだ、と気づいたのだ。たとえば、
英国には、こんななぞなぞがあるんだけれど・・・。

 How do you fit a hundred babies in a telephone booth?
 電話ボックスに百人の赤子をぴったりと入れるには、どうすればいいか。

答えは何と、
Mince them.

切り刻めばよい。 ちょっとびっくりですよね。このなぞなぞは、
中村保男『英語なぞなぞ集』(岩波ジュニア新書)にも載っていて、
やはり子供の間で、遊びに使われるなぞなぞらしい、とわかる。

ずっと以前、読んでいた翻訳関係の雑誌で、イギリス人のユーモアについての
特集を読んだことがあるのだが、その中で、障害があって四肢が動かせず、
遊びに参加できない子どもに対し、
「君はボールの役目をしてくれればいい、僕らが(蹴って)転がすから」
と呼びかけ、遊びに誘った、という例が紹介されていた。む~、これって。
ユーモアなんだろうか、と、頭を抱えたことだった。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0