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ああ、京都 [言葉]

山形新聞に、月に二度、黒木あるじ氏のエッセイ「真夜中のたわごと」
が掲載されている。黒木氏は山形市在住の作家さんである。
本日は「ありがとう関西」という題で、関西圏での経験について。

普段はおしゃべりで鳴らしている黒木氏が、数年前京都を訪れた際、
「ずいぶんおとなしい方どすなあ」と言われ、京都の人はアクティブ
なんだろうなあ、と思いかけたところ・・・。実際は
「うるさいやつだ、少しは黙ってろ」という意味だったと知って衝撃を
受けた、という思い出話から始まる。

ここで私は、大阪育ちの相棒に
「京都で、『もう一杯お茶如何?』
って訊かれたとき、ホイホイと応じていたらあかんよ。
それは、『さっさと帰ったらどうだ』って意味なんだから」
と注意されたことを思い出した。まあ、各地それぞれだから、一概には
言えないが、京都の人って、ちょっとコワイ、と感じたことだった。

黒木氏は、先回の経験を踏まえ、関西を訪れる際に、また
勘違いしないように気をつけよう、としたのだそうだが・・・。

関西の人たちがお店でサービスを受けて立ち去る際、
ほとんどの人が「ありがとう」というのに気がついたのだそうだ。
ああ、そういえば、そうだ、と私も思い当たる。こちらは客なのに、
お金を払って「ありがとう」って、どうしてなの?
って思った記憶が蘇ってきたのだった。

黒木氏はこの習慣に心動かされ、自分も関西弁のアクセントで
「ありがとう」と返すことにした。店の人たちの表情も好意的で
調子に乗っていると、ある店で「東北からのお客?」と、見破られ、
やはり、自分の舌には山形訛が染みついている、とあらためて感じる。
もう、関西弁を真似するのはやめ、山形県人らしく
「ありがどさま」ということにしたのだとか。

山形へ帰郷するため空港でお土産の八つ橋を購入した際、これまでどおり
「ありがどさま」と声を掛けると
「キレイな言葉を使わらはりますなあ」
と返された。
はて、それは? というところでエッセイは結んである。そりゃ、もちろん・・・。

三重県出身で、京都の大学に進学、卒業後、しばらく京都市内で
お勤めしていた友人がいる。私よりかなり若い人なのだが、
「京都の人って、いじわるなんだ。もう、いやになる」
と、たびたびぼやいていたことを覚えている。
それもまた文化なんだろうなあ、古都の歴史が紡いできた文化・・・。
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