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折々のオペラ・フィガロの結婚 [藝術]

このところ、雑用が続いて忙しい。尋常ではない酷暑も続き、
いささかバテ気味なのだけれど・・・。今月は見たい映画が
目白押し。劇場公演のライブビューイングで、NYのメトでの
作品が二つ(ドン・ジョバンニ、魔笛)、さらにロンドンの
ロイヤル・オペラが一つ(フィガロの結婚)。特にフィガロは
相棒が、「メトでの演目にずっと入っていないから、是非、
ロンドン版で見たい」というので、時間のやりくりをしてでかけることに。

映画の興行期日は一週間、と決まっていて、最終日の13日に、
ようやく見に行けました。フィガロといえば、私たちが初めて
生の公演でみたオペラの演目(ウイーンで1989年に鑑賞)であった。
ウイーンでは二泊しただけで、切符が取れたオペラはこれだけだった。

その後、1996年に中欧を旅行した際に、チェコの歌劇場でも
フィガロを見たのだった。この時も、劇場に足を運べる日は限られていた。
何れも、偶然に導かれたようなもの。ストーリーは良く知らなかったが、
音楽のすばらしさに酔いしれた記憶は残っている。
その後は、LDやDVDで歌劇を観るようになっていった。

モーツアルトの歌劇というと、「魔笛」と「ドン・ジョバンニ」が双璧、
そして音楽通には、特に「ドン・・」の方が人気が高い、という印象が
あるのだけれど。モーツアルトらしい、明るさ、軽快さ、人間愛に溢れ、
登場人物の多彩さなどの点からいっても、フィガロはとりわけ
楽しいオペラだと私は思っている。

というわけで期待に胸震わせながら劇場へ向かったのでした。
そして、本当に、期待通りの素晴らしい公演でした!
私は、フィガロを演じたリッカルド・ファッシが素晴らしい、
と思ったのだけれど。相棒はケルビーノ役のハンナ・ヒップが良かった、
と言っていた。とにかく、色々な性格の人物が登場し、互いの個性が
ぶつかり合い、争い、そして和解へと導かれている過程がとても魅力的。

初めて見たときは自分も三十代、と若く、結婚間近のフィガロの恋人、
スザンナに心寄せながら観た記憶があるが。
今回は、夫に裏切られ続けている伯爵夫人の、愁いを含んだ歌声に
心を奪われたり・・・。演出が変わり、歌い手も変わると、作品自体が
がらり、と違ったものになるのも、オペラの魅力だろう。
特にモーツアルトの音楽は、大きな万華鏡のようで、覗くたびに違う世界が
展開していくよう。また、どこかで「フィガロ・・・」に会えますように。
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