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置賜の味・鯉 [食文化]

鯉が日本で積極的に食用されるようになったのは、室町時代、
あたりかららしい。江戸時代には祝儀の宴席にも登場するようになる。
長野県の佐久の鯉料理が有名だが、米沢でも名君・上杉鷹山の
積極的な振興によって、名物料理として定着するようになったらしい。

相棒が以前から「米沢の鯉、食べてみたい」というので、私を米沢へ
誘ってくれたYさんに「どこかで買えるかしら」と訊いてみると
「駅の売店で売ってるよ」との即答に驚いた。
米沢を発つ日、駅の二階にある土産物店で、早速購入しました。

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お醤油と砂糖で煮付けた大きめの切り身二切れが入っていて、1600円あまり。
やや高級。それはともかくずしりと重いのに少々、躊躇したのですが。
小島ゆかりさんの第十四歌集の歌集名が『六六魚』であるが、この六六魚とは、
鯉の異称らしい。鱗が三十六枚あることが名の由来らしいのだけれど。

 赤子まだ知らずこの世の底知れぬ泥のけむりに棲む六六魚
               小島ゆかり『六六魚』

鯉、と呼ぶより六六魚、と呼ぶ方が、何やら重厚な感じがしますね。

先日、夕食の主菜として食卓に登場させました。身はしっかり煮付けられていて
歯ごたえが良いくらい。おかずとしては少々甘く感じたけれど、このくらい
濃い味付けの方が、魚の臭みが消えるのかもしれない、とも思った。
うっすらとだけれど、川魚特有の匂いがして、まあ、さほど気にならない程度
なんだけれども。鯉を食べるのは何年ぶりだろう。以前は近くのスーパーなどでも
鯉のあらいが売られていて、購入することもあったのに。最近は全く見ない。

食材の種類はかなり減っている、という印象がある。
「売れ筋絞り込み」と相棒は言う。その方が効率的、だからだろう。
ちなみに米沢の町なかでは羊肉の自販機も置いてあって、種類も多いのに驚く。
私の住む町では、スーパーやデパ地下でも羊肉を見かけることは少ないのに。
人口で言えば、私の住む町の方が数倍多いはずなのに、この食材の貧相さ、
何なんだろう、と考えてしまう。
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