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必殺仕掛人 [映画]

日本映画のある分野、私はほとんど見ていなかったなあ、と
あらためて思う分野がある。それも商業的に成功したといわれるいくつか。
やくざものや、時代劇の分野の作品で、七十年代半ば頃から八十年代
くらいに作られ、一世を風靡した作品が多いかもしれない。

「必殺仕掛人」は元旦にWOWOWで放映されていて、録画し
昨夜見ました。観ようと提案してきたのは相棒の方で、私は
お付き合いで見たのですが。制作は1973年。原作は池波正太郎
だったんですね。監督は渡邊祐介。田宮二郎、野際陽子、川路民夫、
山村聡、とそうそうたるメンバーが出演し、人気があったんだろうな、
ということがよくわかる。

見始めた十数分間は、意外と面白いかも、と思った。法律では
さばけない悪を、こっそり始末する、という内容は、やはり
胸のすくところがあり。田宮演ずるところの優れた鍼師が、
針一本で、一瞬の間に悪を退治してくれる、という設定もまた、
シャープでかっこいい。この線に沿って展開されるのなら、
問題は、どのようにその悪人に迫り、隠密にコトを済ますか、という
一点にかかってくるだろう。

ワクワクしながら画面を追ったのだが・・・。

如何せん、この優れた鍼師、かなりの女たらし、ときているのだ。
始末すべき相手がいい女、だとたちまち煩悩が頭をもたげて来て、
腕が鈍る、というか、本来の任務がおろそかになってしまうのだ。

これでは「必殺」の名が泣くではないか。娯楽映画として、そして
たぶん、大多数の男性たちが見たい映画の方向としてはアタリかもしれないが、
英知と技術を駆使して、世の悪をこっそり始末する、そのシャープな
展開を観たい者には、なんとも「ダレた」映画、という印象がぬぐえない。

「必殺仕掛人」は続編が幾つかあるらしいが、私はもう見なくていいかも。
ちなみに、相棒はどうだったんだろう。「あまり面白くない」とは
言ってたが、私が集中して観てないことに気づいたからかな?
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