SSブログ

文章を書いてきて(その4) [文学]

中学、高校と、さほど読書もせず、文章を書くことも少なく、
小学生の頃に抱いた「何かモノを書く人になりたい」という
淡い願望も忘れて過ごしていた。十代半ばというのは、
親とも何かともめ事が多く、友人などとのゴタゴタもありで、
精神的に不安定な時期だった。何か好きなことに集中できて
いたら、かなり楽に過ごせただろうに、と思うのだが。

大学生になると、全く異なった形で文章を書く、という
場面が増えて来て、私は大いに戸惑った。
授業の課題の「レポート」である。当時は一般教養が
必修科目としてあり、その一つにわたしは地理学を
採ったのだが、提出を求められたレポートの課題が
「ソ連の地誌について」だった。こういう課題は、
そのたぐいの本をみつけて、「写す」しかないのでは・・・。

そんなことはかなり無意味な感じがする。では、どう書けば
いいのだろう。一般教養の経済学の夏休みの課題は
「『サルが人間になるにあたっての労働の役割』を読んで
矛盾点を指摘せよ」というもの。「写す」必要はないが、
これはこれでかなり難しい課題だった。

私は、レポートの文章が書けない、課題図書を読みこなせない、
という二つの難題の前に途方に暮れた。そして初めて、
好きなように読み、好きなように書いてきた自分は、
何の方法論も身に着けていなかったことに気づいたのである。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0