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映画「運び屋」 [映画]

テレビのおせち番組は見ず、録画していた映画を観る。
「運び屋」は、クリント・イーストウッドが監督兼主演。
中南米系の作業員を雇って、小規模の花卉農園を営む
アールは90歳。農園の経営も行き詰まり、差し押さえの
連絡まで来ている。でもまだまだ元気な彼は、農園の
再興を期している。

すでに離婚していていて、一人娘とは絶縁状態。
これまで一人勝手に生きてきたら、自業自得だが、
好きな農園の仕事を失い、素寒貧となれば、孤独地獄に陥ってしまう。

その彼が、ある場所からある場所へ、車を運転だけしていれば
収入を得られる、という仕事を引き受ける。しかも高額の・・・。
とあれば、何を運ぶのか、薄々察しがつくというものだが。

彼はその収入によって、農園を買い戻し、昔の友達に
大盤振る舞いをして、交友関係を取り戻し・・・。
まさにバラ色の90代を生きようとするのだが・・・。

イーストウッドが、すごくいい。傲慢で頑迷で、
男なら、こうしか生きられない、というぎりぎりのところを、
あの渋い表情で演じきっていて。

そこへ、麻薬カルテルの絶滅を期する警察の手が迫ってくる。
でも、彼らの「運び屋」のイメージには、こんな「高齢者」は含まれない。
それが隠れ蓑になって、暴走していくアール。痛快である。
高齢化社会の映画の可能性の高さを端的に示してくれた映画。
年を取るのも、まんざらではありませぬ。いや、犯罪を賛美
しているわけではありませんが。
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