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英語の詞(その9) [言葉]

十代の頃に聞いた英語の歌について書いてきたこの項、
とあれば、ビートルズは外せない。彼らがビートルズ、として
活躍していた時期は、私の中学・高校時代とほぼ重なるのだから。

初めて耳にしたのは中学に入学して数か月後くらい、では
なかったろうか。まだ山形の田舎にいた頃で、異国語の歌、
も結構耳にはしていたが、シルビー・バルタンとか、
フランス・ギャルとか、フランスやイタリアの歌手のものの方が
多かった記憶がある。ビートルズは耳にした途端、
「なんて、うるさい音楽なんだろう」と思ったことだった。

初期にヒットした she loves you、 I want to hold your hand
A hard day's night、などなど、曲のテンポが速く、その間に
同じフレーズが何度も繰り返される、という歌が多くて、
何でこんな歌にみんなが熱狂するんだろう、と不思議だった。

それが、Yesterday を知って、途端に印象が変わった。
何としみじみと、心に通ってくる歌なんだろう、と。

Yesterday all my troubles seemed so far away
Now it looks as though they're here to stay
Oh I blieve in yesterday

 昨日、僕のすべてのもめごとが遠ざかったように見えた
 なのに今は、まだ近くにとどまっているかのようだ
 ああ、僕は、昨日の方を信じたい

十代の頃は身辺に絶えずごたごた、が持ち上がって、
翻弄されていた。振り返ってみれば、いずれも
些細なことでしかなかったのだが。
「ああ、昨日の方を信じたい」という切実な気持ち。
この歌を聞くたびに、あの甘酸っぱい、十代の日日が
蘇ってくる気がする。

私にとってのビートルズは、極端に好きな曲と嫌いな曲が
混在しているグループで、あの頃は、おんなじ人たちが
やってるのかなあ、と不思議になるほどだった。
彼らは嵐のようにやってきて、毅然と立ち去ったが・・。

私はその後、何年もかけてようやくビートルズという人たちが
あの時代に刻んだ大きな足跡をたどり、言葉に耳を傾け音楽に浸り、
その深層に近づいてきた、ような気もするのだ。
やはり、時代が生んだ音楽だった、とも思うのである。

他にも夢中になって聞いた英語圏のポップスは沢山あるのだが、
今回はこれでひとまず、筆を擱くことにしよう。
お読みくださった皆様、有難うございました。


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