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本の虫(その7) [読書]

翻訳出版を夢見ていたナンシードル―ミステリーシリーズ、
それがうまくいかないことが分かって、茫然とした私だったが
でも、すぐに立ち直れた。私はこのシリーズ以外にも
アメリカで読んでみて気に入った本は沢山あったから。

翻訳出版できるかどうかわからなくても、自分なりに
訳してみていた。本を読むことはもちろん大好きだったが、
それと同じくらいに文章を書くことも本当に好きだったから
こうしたことは全く苦にはならなかったし。
結局私がアメリカから持ち帰った数十冊の本は、
日本で翻訳出版されることはなかったのだけれど。

熱意を買ってくれた出版社の人が、やがて
仕事を回してくれることになり・・・。
幸運だったともいえるし、ただ好きで取り組んでさえいれば、
いつかその方向で、自分の夢がかなうこともある・・。
そんな一つの例、といっていいかもしれない。

海外の絵本は、絵が斬新だったり、色彩が独特だったり、
仕掛けが奇抜だったりと、楽しく独創的なものが多いので、
今も時々は書店を覗き、気に入った本があると購入してくる。
手元に置いて眺めているだけでも楽しい。

また、子供の本にはたくさんのお菓子が登場するが、
欧米圏では一般的でも、日本ではあまり知られていないものも多い。
みんなが知っていたら、訳しやすいのになあ、と考えるうちに
「じゃあ、お菓子を紹介する本を自分で書いちゃおう」
と思い立ち、それが『古きよきアメリカンスイーツ』という
本が誕生するきっかけになった。
さらに私は短歌を読み、また自分でも詠んでいるので、
お菓子の詠み込まれた短歌が気になるようになり、
『お菓子のうた』『郷土菓子のうた』を書くことにもつながった。

私の中に住む本の虫は、時々脱皮したり、変態したりするようだ。
付き合っていてなかなか手がかかるが、面白い虫なのである。
   (この項、とりあえず終了です)
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