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漫画体験記(その3) [藝術]

手塚治虫「ブラックジャック」を紹介してくれたのは私の妹。
1970年代の半ばのことで、当時私は結婚したばかり。
それでも実家の近くに住んでいたので、妹とは時々会っていた。
第一巻と第二巻を借りて読んですぐに夢中になり、その後は
互いに「何巻買ったから」「じゃあ、次の巻は私が買う」
と、連絡し合い、貸し借りしながら読み続けた。

無認可のまま医師を続けるブラックジャックは、
顔がつぎはぎだらけ。何か暗い過去があるらしいと、
推測はできるものの、なかなか明かされない。
そんななか、彼は普通の病院では適切な医療行為を
受けられないような患者を次々に受け入れ、法外な
治療費を巻き上げる。その綱渡りのような生き方が
スリリングで、もう、一冊、一冊、舐めるように
読んだ。読み終わるのがもったいなかったくらい。

最初はただ、お話を味わうために夢中で読み、
二度目は絵の隅々まで、形として味わい、
さらに、連載物のお話の続け方、登場人物の変化の付け方、
舞台の設定の仕方、などなど、色々考えながら読んだ。

ある日、仕事からの帰り、入手したばかりの「ブラックジャック」
を読んでいて、家の前のバス停に着いたことに気づき、
慌てて降りたのだが、手にしていたのはその漫画本一冊。
荷物をすべて車内に置き忘れたまま、バスは発車してしまい・・・。
幸い、相棒が先に帰宅していたので、家には入れました。が。
バス会社に電話して、車庫まで取りに行くはめに・・・・・(ああ)。
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