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キャラクター [映画]

映画「キャラクター」を観た。ストーリーのさわりを読むと、
かなり興味をそそられるところがあって・・。
漫画家を目指す山城(菅原将暉)には、キャラを描けない、特に
悪役がそれらしく見えない、という決定的な弱点があった。
諦めかけたその日、偶然、殺人の現場を目撃してしまい、
そしてちらっとだが、犯人らしき男・両角(Fukase)を見てしまう。

山城はそれを機に、一気にキャラが描けるようになり、
「34」(三銃士が掛けてあるらしい)の作者として、
人気漫画家の仲間入りを果たすことになるのだ。

こういう展開は魅力的だし、これまでも(マンガじゃないが)あった
ような感じがする。難しいのは、ここからどう結末に持っていくか。

正直なところ、この映画の展開の仕方には、納得できない
ところが多々あった。特に、最初の殺人事件の犯人とされた男、
(やや、認知症? 自分の行動を理解しきれていない)が、
両角に操られて、警官を殺害する、あたりはとんと納得できない。
ここまでこの浮浪者のような男を、活躍(?)させる必要があったのか。
他にも、観ながら、「変だ! 私だったらこうはしない!」と
何度も叫んでしまいました。

この映画で一番魅力的に感じたのは、山城が描く漫画「34」、
そのイラストが迫力があって、素晴らしい。担当されているのは
江野スミさんだそうである(私は知らないかった)。Fukaseの、
ちょっと不気味なサイコパスもいい。でもね、こんなほっそりとした
ヤワな男の子が、真昼、成人男性と十代半ばの男子を含む四人家族を
殺害するなんて(それもご丁寧にそれぞれ縄で縛りあげて)
ちょっと、これもあり得ない、感じがする。

映画は徹底して非現実世界を描く、それでいい。でも、
その非現実感に観客を没頭させるにも、現実的な詰めが絶対必要、と思う。

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