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絵画のうた(その5) [短歌]

 弱りゐるこころに三羽の小鳥来ぬ駒井哲郎の銅版画の鳥
                栗木京子『夏のうしろ』

駒井哲郎はなんとなく名前を知っている、と言う程度で
特に興味を持ってその作品を見た、と言う記憶はなかった。
栗木さんの上記の歌を読んだ時、すうっとまず、この画家の
優しく童画的な雰囲気が浮かんできた。

ネットなどで改めてこの画家の作品に触れてみて、
にわかに好感を持ったことを、思い出す。栗木さんが
心が弱っていた時、思い浮かべた、ということに
すんなりと納得もしたのだった。

こんな風に、短歌によって絵画の見方を提示される、
ということは、私の場合よくある。しばらくは歌人の
心に寄り添って絵を鑑賞し、そしていったんは忘れる。
しばらくしてもう一度絵を見ると、自分なりの絵画への
視点が見出されたりもする。歌にとらわれる必要はない。
興味を持つきっかけを与えてくれたことに感謝するのみ。
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