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スミロドン [旅]

コロナ禍で家籠りの日日、これを機にと少し
書棚を片付けた。本が雪崩れそうなほど増えていて、
少しずつ整理しないと、いけないなとは思っていた。
でもこういう時に、思いがけないお宝本を発見(!?)したり
するので、気を抜くことができない。このたびもまた・・・。
見つけたのは、『Ice Age Mammals and the Emergence of Man 』
アメリカに住んでいた時にワシントンにでかけたことがある。
その折に訪れたスミソニアンの自然史博物館で購入した。

博物館の展示物説明パンフである。
36頁しかなく、大きさもA5判と小さい。でもなぜ購入したか、
その表紙を見ただけで、当時の興奮が想像された。表表紙と
裏表紙が続きになっていて、全体がスミロドンの骨格の
写真なのである。見事にすべての骨が完全に残っている骨格の。

スミロドンは日本では剣歯虎、と訳されている。英語では
Sabertoothed Cat と名付けられている。その名の通り、
前歯に日本、サーベル状の巨大な歯を持っていて、体長は2m、
体重はおそらく270キロくらいにまでなったのではないか、
とされている。このパンフによると、
ロスアンジェルスの近郊、ランチョ・ラ・ブレアというところ
で発見されたらしい。ここは泥炭地で動物の骨が完全な形で
保持されている条件がそろっていて、この剣歯虎を含め、
200種類もの動物の骨が発見されているのだとか・・・。

あらためて剣歯虎の骨格写真を眺めてみる。何度見ても
素晴らしい。スミソニアンにはアメリカで知り合ったユダヤ人の
ロンと一緒に出掛けた。彼はテルアビブ大学で動物学を専攻していて、
動物に素晴らしく詳しかったので、彼の解説付きでこの博物館を
堪能したのだった。ほんとに得難い体験だった。その時の記念に、
博物館ショップでこのパンフを購入したものだろう。

となぜかあいまいな書き方にしかなっていないのは、その
博物館で見たもの、聞いたものをあまり覚えていないのである。
この後、博物館前に私を迎えに来てくれた永田和宏氏の車で、
ワシントン在住の日本人たちの人たちと行う、歌会の会場へと
向ったからである。同じ日に大きなイベントが二つもあり、
私はかなり頭の中が混乱してしまっていたらしい。

日本語でインプットしたことの方が明らかに強く記憶に残り、
英語で仕入れたことを押しのけてしまったみたいである。
パンフを購入していなかったら、当時の興奮を思い出すことも
なかったかもしれない。それにしてもスミロドンの迫力、凄まじい。
もう一度、ワシントンのスミソニアンを訪れたくなる。
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